「卓巳、喉乾いただろ」
 ソファに座りクッションに顔を埋めている卓巳は真っ赤に違いなく、両手にグラスを持った透夜はガラステーブルにそれを置いた。カラン、とグラスの中の氷が涼やかな音を立てる。
「透夜さん………僕、どれくらい寝てましたか」
 卓巳の隣に腰かけた透夜は無理に顔を覗き込むことはせず、自分のレモンティを一口含む。
「二時間くらいかな。おまえ、昨日はあまり眠ってないだろ? あの後――」
「わわわっ、判りましたっ、もう判りましたから!」

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 「――話がしたい」と南斗を連れ出した明良は、個人名義で借りているマンションの一室へ彼を招いた。
 寮監の職に就いてからは週に一度しか戻れず、生活感の消えた室内は静けさばかりが漂う。ガラス窓を叩く雨粒が不規則な音を鳴らし、リビングで見つめあう二人のきまずさを増すようにリズムをとった。
「………南斗」

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 ※性描写が含まれます。ご注意ください※

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 透夜のぬくもりを服越しに感じ、瞳を閉じた卓巳は昨日から起きたことを考えていた。
 情熱に動かされて求めている間はいい。だが時間はいつまでも熱を保ってはくれない。周りを見る目が戻れば、苦しみやつらさを伴った問題が横たわっているのだろう。
 もし自分が南斗たちのような立場になったら、どうするのか。
 あんな風に向き合い行動できるのか……。
 進む時間が怖い、と感じた瞬間、額に当たっていた感触は消え、身体はふわりと宙に浮いた。

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